仙崎にて、まずは腹ごしらえから・・・
仙崎は日本海に面した長門市の港町だ。大正時代の女流詩人、金子みすずが生まれ育った町として、みすず館やみすず通りを整備し、町おこしを図っている。
みすず館を兼ねた仙崎駅で、「この辺りにおいしい店はありますか?」という質問からスタート。すると、館の受付にいた女性がコックリうなずいて「あります」と断言。静かな口調ながら、確信に満ちた答えだ。手応え充分といったところ。女性がすすめてくれたのは3軒。すべて食べて回るわけにも行かないので、萩市滞在以来、看板が気になっていた「うに釜飯」をチョイスした。
“直火炊きの釜飯は、出されてから2〜3分蒸らすのがよい”とメニューにある。しばし待ってフタを開けると、捕れたてのウニの香りがふわっと漂い、食欲をそそる。ご飯の上に放射状にも盛られた小ぶりの新鮮なウニをつぶさないように、釜の底からご飯ごとすくい取り飯椀に盛りつけると、今度は炊き立ての米とだしとわずかなおこげの香りがたつ。口に入れるとご飯の中にもほどよく味付けされたウニがまぶされていて、まったりと美味。防腐剤で洗ったような余計な香りは一切なく、まさに新鮮な磯の香りとウニのとろりとした旨みが口一杯に広がる。「旨い!」さらに2椀目になると、ご飯の中から崩れ出たウニが釜の熱でジジっとこげて、香ばしさが加わり、味わいも微妙に変化。「うに釜飯って、こんなにおいしいの!!」と声もうわずるほど。毎日のように新鮮な魚介を食べている地元の人が、「ちょっと高いけれど、それだけの価値はあります」とすすめてくれた訳だと納得した。海賊釜飯など、メニューはいろいろあったけれど、きっと次も「うに釜飯!」注文しちゃうだろうな。
<うに釜飯data>
浜屋 Tel0837-26-1437。11:30〜20:00(オーダーストップ19:30)。火曜定休。うに釜飯2300円。
湯の町情緒たっぷり、源泉の共同浴場は140円!
仙崎を回った後は、いよいよ温泉地入り。江戸時代には藩主毛利氏が湯治に使ったと言われる名湯、湯本温泉だ。温泉地のシンボルとなっている共同浴場「恩湯」は、ゴールデンウィーク直前の4月25日発行、朝日新聞の夕刊に、財津和夫さんの「心の風景」としてカラー写真付きで紹介されていた。チーコは、しっかり切り抜きまで持ってきている。
音信川沿いに車を乗り入れると、そこには新聞の写真通りに共同浴場「恩湯」があった。ネオンの灯る赤い大きな看板が湯の町らしい情緒をかもし出している。
私たちは各自タオル1本を持って「恩湯」へ向かったが、なんと女湯故障中のため入浴不可湯から上がったばかりのおじさんに「上の礼湯へ行きなさい」と教えられた。
ちょっぴり残念だけれど、まさか男湯には入れないので「礼湯」へ向かう。こちらは女性専用になっていて、入浴料140円、銭湯よりも安い! 見たところ「恩湯」ほどの情緒はないが、温泉に入れさえすればいいやと、勇んで風呂場へ入る。湯船を丸く作ったタイル貼りの風呂場は、昭和初期のものなのだろう、レトロな雰囲気が漂い、清潔に保たれていて快適だ。
ところで入浴しようとして気づいた。入浴料140円には石鹸の設置なし。すべて自前で用意してくるシステムになっていた。困ったぞと思う間もなく、湯船に浸かっているおばさんから声がかかる「石鹸なら、私の使いなさい」って。地元の人らしく慣れたものだ。親切な申し出に心がなごむ。ありがたく石鹸を使わせてもらい、気分よく湯につかった。遠来の旅人を優しく迎える人と湯に、古い湯治場ならではの温かみがあった。湯は無色透明のアルカリ性単純泉。わずかに硫黄の香りがする。
<湯本温泉data>
恩湯・礼湯 問い合わせ先Tel0837-25-4098。大人140円、子供60円。恩湯6:30〜23:00、第一火曜定休。礼湯9:00〜21:00、第三火曜定休。
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うに釜飯のほかに海鮮釜飯1250円、さざえ釜飯1950円、うに釜御膳3450円と美味しそうなメニューが並ぶ。どれもこれも美味しそうだけど、もう一度、取材抜きでうに釜飯を一人前、一人でお腹いっぱい食べてみた〜い。(チーコ)
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